学生時代の
友人が引越しをするというので時間が空いた時に訪問し
荷物の整理の手伝いをしていた時、
大量のプリクラと写真が出てきた。
彼女とは古い付き合いで仲が良かったため
ほとんどの写真に私が映り込んでいる。
≪なつかし~~~~い≫
とふたり揃って作業の手を止め、
休憩しようとコーヒーを飲みながら写真を眺める。
若くて
丸く、ハリのある笑顔。
化粧なんてしていなくても
毎日の充実感が表情に表れている。
今から見れば
あり得ないメイクの色彩感覚や
髪型。服装。
≪だっさ~~~~~≫と笑いながらも楽しいひと時だ。
彼女は捨てられない女、
元彼の写真なんかも一枚も欠ける事なく持っている。
彼によって変わるメイク、服装。
モテ男と付き合った時には
着飾りながらも頬が痩せていたし、
最近まで長年付き合った彼との写真は
スッピンで部屋で笑ってる事が多い。
≪やっぱ、慣れ合いの付き合いってダメだね。会える日を楽しみにして、オシャレして、写真撮って。そうしないとどんどん自分が女じゃなくなる気がするよ≫
と
スッピンで映る自分の写真を眺めて呟いた。
きっと今でも彼女は
長年付き合った彼をまだ忘れられないのだ。
≪でもさ、どの写真も綺麗って思うけど、本当に楽しいんだろうなって思う写真はこの彼と居るスッピンのあなただね≫
と私が言うと、
すっとタンクに溜めていたであろう涙を
ボロボロこぼしだした。
結婚すると思ってた。
昔からの親友が
このまま幸せな結婚をすると思っていた。
親友の私からすれば
寂しい気持ちもあったけど……
でも彼女は
新しい道を選んだ。
≪写真って本当に全部映すね~~思い出しちゃう…≫と言いながら涙を拭いた。
捨てられる日がいつかくるかもしれない。
捨てなくても思い出さない日がいつか来るかもしれない
その時まで
無理に思い出を処分なんてしなくていいと思った。
彼が居たから
昔の彼が居たから
私や友人、家族が居て、
その思い出があるから
私が大好きな友人の今がある。
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